-AKIRA-
08 10, 2013
1988年に公開されたアニメ映画。
原作者は大友克洋。この映画の監督でもある。
3年という時間、10億円という大金で制作された。
まさに血と汗と涙の結晶といえる作品。
2019年、東京湾の上に構築されたネオ東京。
超高層ビルが乱立し、道にはゴミが溢れている。
車に火炎瓶を投げつけ、鉄パイプで首をはねる。
ドラッグやセックスで溢れかえっている。
自然も此処には見当たらない。
そんな閉塞感のある都市に、未来はあるのだろうか?
バイク集団のリーダー金田。そのメンバーの一人である鉄雄。
この二人は孤児院からの長い付き合い。
泣き虫である鉄雄を、金田は守ってきた。
青ざめた顔の少年との衝突事故をきっかけに、鉄雄は超能力に目覚める。
行き詰まりのネオ東京を再生する鍵である「アキラ」という存在。
軍事機密でもあるそれに、金田と鉄雄は巻き込まれていく…。
物語の舞台である「ネオ東京」この超巨大都市の表現が凄まじい。
現代のビルの何倍も大きいであろう建物。
賑やかなのに、どこか空虚に感じるネオン。
細部まで描かれた摩天楼。
独特なBGMも相まって、AKIRAという独自の世界観が表現されている。
冒頭のバイクシーンは凄くワクワクする。
バイクが走行した後の、光の軌跡が残っていく表現は堪らない。
「やっとモーターのコイルがあったまってきたところだぜ!」
暴力表現が躊躇なく描かれているので、幼少期の子供に鑑賞させるのは危険。
小学3年生の頃に、AKIRAで一番のグロテスクシーンを見てしまった。
当時はそれで激しいトラウマを抱えた。それがAKIRAとの出会い。
バイクがカッコいい。老人みたいな子供が気持ち悪い。
ネオ東京のスケールが半端ない。物が壊れる表現がスゴイ。
…といった感じで、常に驚きながら観ることができる。
AKIRAはそういう鑑賞の仕方でも楽しめると思う。
セル画は大好物。特にAKIRAは緻密に作られているので鼻息が荒くなる。
現代のアニメはデジタル制作だから、こういう作品が貴重になってくる。
デジタルアニメでも「作画すげえええ」と感動する作品がある。
鉄コン筋クリート、マクロスプラス、エウレカセブンAO、宇宙戦艦ヤマト2199とか…。
独特の表現で勝負しているのが、四畳半神話大系や惡の華。
作画で感動してしまうアニメを観るのが好き。
これからもアニメは進化していくのだろうか?
それが楽しみ。
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